【レビュー】証券業界志望なら読みたい『超一流アナリストの技法』
■評価:★★☆☆☆
「アナリスト」というタイトルに興味を抱き購入しましたが、Webや統計データ分析というよりかは、金融業界のアナリスト向けの本でした。ちょっと、僕が望んていた感じの方向性ではなかったので評価は星2つです。これから、証券業界、金融業界に飛び込む方の入門書としては良いかもしれません。僕は中小企業診断士の試験で勉強していたこともあり、実務向けのパート内容は、確認程度に流し読みしています。
■概要
著者はトップアナリストであった野崎氏。日経アナリストランキング1位の常連だったそうです。著者の心構えや実務的なTIPSなど一般化して応用できそうなパートと、金融業界の具体的な分析側面が強い証券アナリスト向けのパートに大別されます。
■生活を俯瞰するTIPS
本書の半分は、一般ビジネスパーソンにも応用が利く話という印象です。著書は、良い仕事をするためには、オン・オフ切り替えが必要だと主張しており、そのための時間管理や思考方法が紹介されています。
僕が一番感心したのは、日々の振り返り方。1日の行動を時間と効用に分けて加重平均するというものです。そうすると公私を含めた1日の純粋な評価が出てくるというわけです。実際、僕のある1日は、下の表になりました。うーん、ちょっと個人のパートの使い方が改善余地ありそうですね。
項目 | 時間 | 割合 | 効用 | 評価 |
仕事 | 9 | 38% | 2 | 0.75 |
移動 | 1 | 4% | 1 | 0.04 |
家族 | 4 | 17% | 5 | 0.83 |
個人 | 2 | 8% | 2 | 0.17 |
睡眠 | 8 | 33% | 3 | 1.00 |
合計 | 24 | 100% | - | 2.79 |
■必要条件と十分条件
本書の実務部分のパート部分は、その構成がとても参考になるなぁと思いました。証券アナリストにとっての必要条件と十分条件はどのようなものかという問いを立てています。読んでいて、「あれ?必要条件と十分条件ってどっちがどっちだっけ?」と混乱しちゃいましたが、このあたりは、グーグル先生にお伺いすれば、良い例えがたくさん見つかります。僕が参考にしたのは下記ブログの記事が分かりやすかったです。
■自分の仕事を客観視する
証券アナリストの必要条件、十分条件自体は、普通のビジネスパーソンにはあまり関連がありません。ですが、自分の仕事に置き換えた場合、必要条件と十分条件を考えることには意味があるのではないかと思います。特に、十分条件を生き残り条件と勝ち残り条件に分割して考える思考法は、今まで考えたことがないフレームワークだったので良い発見でした。
■アナリストレポートはネタの宝庫!?
門外漢とはいえ、これまでまったく未知の世界であった証券アナリストの世界を知ることができたので、アナリストレポートを読んでみました。とりあえず、無料レポートで読めた楽天証券のカジノ法案通過に合わせてでてきたレポート。ラスベガスのカジノ産業と今後日本での展望がびっしり書いてあります。初めて読んだ感想は、結構参考になるという感じでした。アイスブレイクのネタとして、情報を仕入れるにはいいかもですね。
■まとめ
アナリストレポートという情報ソースを新たに知れたのは良かったです。データ分析にまつわる部分は、おそらく金融業界志望の方が読めば参考になるのでは…という内容です。Webマーケティング的なデータ分析を期待して読むとちょっと違うかなぁという感じですね。